インターネットで出来ること:治験関係者編

*インタネットでできることのアイデア・ツールの紹介

実用から趣味の世界まで by ホーライ

ホームページネットで学ぶ、勉強する問題解決のための考え方と問題を解決するための技術




ホーライが普段、自分用に使っている役立つ情報源、便利ツール(実用から趣味の世界まで)
★問題解決のための考え方と問題を解決するための技術

■<ゼロベース思考>と<仮説思考>は、問題解決にあたっての2つの重要な基本的思考である。
● <ゼロベース思考>

ゼロベース思考とは、「既成の枠」を取り外して考えるということである。
このゼロベース思考のポイントは次の2点である。

(1) 自分の狭い枠の中で否定に走らない

(2) 顧客にとっての価値を考える




(1)自分の狭い枠の中で否定に走らない

ビジネスの現場では、いろいろなことが複雑に絡み合っているため、初めから簡単に全体像が見えない、あるいは定義できない場合が多い。

そのとき、現状の枠のまま収束させてしまうのかどうか。
そこが<ゼロベース思考>で考えられるか、既存の枠に執着するかの分岐点になる。

解決は難しいと最初から既存の枠で考える従来どおりの思考では、小さな枠の範囲内で限定的に考えてしまうため、枠の外にある解決策を見落としたり、最悪の場合は、重箱の隅をつつくように、枠の中の否定的要素を列挙し始める。

もしいま、ビジネス上の課題を何かしら抱えているとしたら、「この課題を解決するための具体策はある」という前提で、ゼロベースから考えてみてはいかがだろうか。


もちろん、作業に使うエネルギーの量は比較にならないぐらい大きくなる。
しかし、最終的に成功を目指すには、ビジネスパーソンの最低要件として、この<ゼロベース思考>を実践すべきである。



(2)顧客にとっての価値を考える

<ゼロベース思考>で考えろと言われてもなかなか難しい、と思う人に対して考え方のコツを挙げるとすれば「顧客にとっての価値を考える」ということだ。(社内顧客も含めて。)


知らず知らずのうちに自分の立場や自部門の立場、あるいは自社の立場だけで問題をとらえる習慣がついてしまうと「既成のタガ」から抜けられなくなってしまう。

だから「顧客にとっての価値を考える」ことが大事なのだ。

ビジネスの現場では、実行して初めて問題が解決する。
したがって、実行段階でも既成のタガを外せなければまったく意味が無い。
 ●<仮説思考>

<仮説思考>とは、限られた時間、限られた情報しかなくとも、必ずその時点での結論を持ち、実行に移すということである。

とにかく早く結論を出して、早く実行に移す。
そして、その結果を早く検証して次のステップにつなげていく。

刻々と変化する現代においては、このスピードが命運を分ける。

時間をかけて緻密な分析によって精度を高めようとするよりも、ざっくりとでもいいから短時間で、あるレベルの結論を出し、アクションに結び付けることが重要なのだ。


ベター・ソリューションでもかまわない。
なぜなら変化の激しい現代では、検討を重ねているうちに前提条件が180度転換するようなことはいくらでもあるからだ。
(例:治験実施医療機関にはIRBが必要である⇒不要になった。)



<仮説思考>のポイントは次の3点である

(1) アクションに結びつく結論を常に持つ・・・結論の仮説

(2) 結論に導く背景の理由やメカニズムを考える・・・理由の仮説

(3) 「ベスト」を考えるよりも「ベター」を実行する・・・スピード重視





(1)アクションに結びつく結論を常に持つ

まず結論を出せと言われても・・・・・・と戸惑うはずだ。
状況がよく分からなければ結論なんか出せないとか、アテズッポしか言えないなどと思うはずだ。

しかし、最初はアテズッポでもよい。
とにかく、何が何でも結論を出すことが<仮説思考>の始まりだ。

そして、出した結論に対して、So What?(だから何なの?)を繰り返す


「A病院はコンスタントに登録が入る。B病院は3月から急激に登録が増加している。C病院は登録がほとんどない」と結論しても、それではSo What?(だから何?)である。

だからどうするのか、具体的アクションに結びつく方向を考えるのだ。



<重要>

現時点での結論(仮説)とは、右へ行くのか左へ行くのかのアクションに結び付く戦略的判断をいう。

単なる状況の分析や解説は、ビジネスの現場では意味を持たない。

最初は的を外しても、常にアクションに結びつく結論を持つということを心がけると、確実に精度は上がる。
そして、ビジネス上の自己実現率は確実に向上するはずだ。

■結論に導く背後の理由やメカニズムを考える

<仮説思考>の第一歩は、まず「何が何でも結論を出すこと」だと述べた。

この結論を出す習慣がついたなら、次に心がけることは「背後の理由やメカニズムを考える」ことだ。

背後の理由やメカニズムとは、問題となっている、あるいは将来問題になるだろうと思われる現象を作り出す、仕組みや構造のことである。

So What? をしつこく繰り返して実行可能なアクションに結びつく結論を出すように心がけていると、結果的に背後の理由やメカニズムが把握できるようになっている。

言い換えれば、背後の仕組みや構造が把握できていなければ結論を出せないことに気づくだろう。

この2つの関係は、鶏と卵の関係だ。 


「何がなんでもその時点での結論」を持とうとすると、その問題の背景にはどういうメカニズムが働いているのか、どういう枠組みで問題を考えるのか、なぜそういう枠組みでとらえたのか、という理由を自然に考えるようになる。

そうすれば、実行した後に、もし結果が違っていても、背後の理由やメカニズムが分かっているから、軌道修正は容易にできる。
また、実行する前に必要であれば、その枠組みの中で要と思われるものの裏を取ることもできる。

<仮説思考>の重要なポイントは、解決できる可能性を必ず頭の片隅に残しながら、ベターな解決策が見えたらすぐに実行に移してみることである。

そして検証し柔軟に状況の変化に対応する、というサイクルを回すことが重要だ。
●<MECE>と<ロジックツリー>

<ゼロベース思考>と<仮説思考>の2つが問題解決のための「基本態度」とすると、<MECE>と<ロジックツリー>の2つは問題解決のための「基本スキル」といえる。


● <MECE>

「モレなく、ダブリなく」考えるためにMECEを活用する。

<MECE>を活用するうえでのポイントは整理すると次の3つになる。

(1) モレによって的を外していないか?

(2) ダブリによって効率を阻害していないか?

(3) <MECE>でとらえ、最後に「優先順位」をつけているか?




物事を大きく<MECE>に捉えられるようになったら、必ずメリハリ=優先順位をつけることだ。

どんなに<MECE>になっていても、全てをカバーした網羅的な解決策やメッセージは、何も言っていないのと同じことである。

特に<MECE>が重要性を増すのは、戦略を立案するときだ。

なぜなら戦略の目的は「いかに効率的かつ効果的な経営資源の配分を行い、競合に差別化を図りながら自社にとって優位な状況を継続するか」に尽きるからだ。
 


●<ロジックツリー>

<ロジックツリー>とは、問題の原因を深堀りしたり、解決策を具体化するときに、限られた時間の中で広がりと深さを追及するのに役立つ技術である。

■ロジックツリーの例





主要課題の原因や解決策を<MECE>の考え方に基づいて、ツリー状に論理的に分解・整理する方法である。

単なる根拠のないアイデア出しとは違って、具体的な解決策=「ツリー」の言葉が「ロジック」という因果関係で結ばれているから、問題を必ず解決に導くことができる。

箇条書きは<ロジックツリー>の初歩であるが、<ロジックツリー>は次の3つの点で優れている。


(1) モレやダブリを未然にチェックできる

(2) 原因・解決策を具体的に落とし込める

(3) 各内容の因果関係を明らかにできる




<ロジックツリー>を作る基本は次の3つである

(1) 各レベルができるだけ<MECE>か

(2) ツリーの右側が具体的な原因や解決策になっているか

(3) 具体的な原因や解決策がロジックの因果関係で主要課題にリンクしているか



● <ロジックツリー>で解決策を具体化する

解決策の要件は次の2つである。

(1)的を外さないこと

(2)すぐにアクションに結びつくような具体性があること

■ソリューションプロセス
 
●ソリューションプロセス「課題の設定⇒解決策の策定⇒解決策の検証・評価」



▼課題の設定

問題だと考えられる現象に直面したとき、その問題を今後解決すべき課題としてとらえ直すことが「課題の設定」である。

「課題の設定」のプロセスは2つの要素から成る。
それは「主要課題」の設定と、それを具体化・細分化した「個別課題」の設定である。

被験者の登録数が減ってきている」という現象がある。

これをまず課題としてとらえる必要がある。
「被験者の登録数を増やすことは可能か?」。
これがまず「主要課題」の設定になる。
したがって、現象を問題として認識しなければ、課題は設定されない。
課題とは「解決すべきだと意識された問題」だ。



次に「個別課題」を設定する。

・ 1施設での登録数を上げることは可能か?

・ 登録している施設の数を上げることは可能か?(登録数がゼロの施設を減らすことは可能か?)

・ 施設数を増やすことは可能か?(新規施設の追加)


さらにそれぞれの「個別課題」をブレークダウンしていくことも考える。

この「個別課題」の設定に関しては、2つの重要なポイントがある。


(1) できるだけ<MECE>や<ロジックツリー>を駆使して独自のフレームワークを作り上げて考える。

(2) 「主要課題」から「個別課題」にブレークダウンする目的は、本来、問題が生じた背景や、問題を引き起こすメカニズムを明らかにすることにある

■解決策の仮説を立てる

解決策の仮説とは「主要課題」に対するその時点でのアクションに結び付く具体的解決策をいう。

解決策の仮説は2つの要素からなる。

それは「個別課題」に対する「個別解決策」づくりと「主要課題」に対する「総合解決策」づくりである。

まず、それぞれの「個別課題」に対する「個別解決策」づくりを<ゼロベース思考>と<仮説思考>をもとに考え抜く。

そして、自社/自部門/自分でコントロール可能かどうかについて、YES/NOの結論=仮説を出す。

YESの場合はどうすればできるのか、その具体的解決策(HOW)を明らかにし、NOの場合はなぜできないのか、理由(WHY)を明らかにする。

こうして出てきた具体的解決策(仮説)は、あくまでも「個別課題」に対する「個別解決策」である。

したがって、次のステップは、これらの「個別解決策」を組み合わせて、「主要課題」に対する「総合解決策」を作ることになる。

「総合解決策」とは「個別課題」に対するYES/NOの具体的解決策を組み合わせ、経営資源の観点から「個別解決策」の整合性をチェックしたうえで作られる。

したがって、通常は何通りかの「総合解決策」=代替案が考えられる。
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